「えらいことになった。罰金30万円だよ。入国禁止になってしまったし、仕事どうしよう」。何度も出張で中国を訪問している中国通の知人が罠にはまった
 きっかけは宿泊していたホテルの電話。夜中、「マッサージいりますか?」と女の声。うっかりOKと答えてしまったら、しばらくして部屋に女が入って来た。
 ホテルのフロントが「売春婦らしい女が来た」と公安局に通告。女が部屋から出た瞬間に公安局に取り押さえられた。
 担当者から、「治安管理処罰法でマッサージを含む買春行為は10~15日間拘留、5,000元(約7万5,000円)以下の罰金、一定期間入国禁止などの処分となる」と説明を受けたそうだ。
 実際には30万円も払い、パスポートを没収され、3年間の入国が禁止された。せっかくうまくいっていたビジネスは台無しである。
 行ってはいけない店は次のようなところだという。
 「オフィスが入居しているビルの一室を借りてひっそり営業していたり、地下にある店。チップが必要な店、メニューに料金表がない店、個室が分かれていて隣の個室が見えない、窓がない閉鎖的な店も危ない。ネオン街にある足浴や温泉、理髪店の看板がある店も要注意です」(ベテラン駐在員)
 ちなみに相場は、日本のカラオケボックスのような個室で、ホステスが1人隣りに付き、飲み放題で5000円(3時間以内)。買春の相場は1万円。ラウンジのような高級店になると、隣りに座るだけで1人1万円から2万円。買春は3万円ほど。
 北京で危ないエリアは、東京でいえば日暮里のようなイメージの三里屯、后海など。いずれも公安当局が摘発重点地区としている地域である。
 公安当局は五輪に向け取締りを強化している。その分、摘発を避けるために日本に流れてくる女性たちが増え、感染症が拡大する恐れも。北京も東京も、夜の危険は増すばかりだ。