カウンセリングを受けて、新しいキャリアを始めることができた方たちの事例をいくつかご紹介します。

就職後、ひきこもり歴10年近く
 山本香さん(仮名・29歳)の場合

香さんは、高校生の頃から不登校気味でしたが、何とか卒業。周りが大学に進学する中、地方公務員として就職しました。しかし、上下関係の厳しさや、終わらない残業などで胃潰瘍、自律神経失調症になり、数ヶ月で辞めてしまいました。それからは、外出も嫌になり、うつ状態に。
ところが悪いことは続くもので、別居していたご両親が離婚し、いよいよ生活が立ち行かなくなります。泣いているお母さんを見て、甘えていてはいけないと気づいたそうです。意を決してキャリア・カウンセラーに相談すると、次第に自己肯定力がつき、3社、面接して合格、就職することになりました。
この成功体験を通じて香さんは、たとえまた辞めることになっても、チャレンジできる自己肯定力を身に着けた気がすると話します。何度やめてもいい、転職してもいいということがわかり、香さんは再び前進できました。

主婦からひきこもり
 江夏裕子さん(仮名・48歳)の場合

裕子さんは、大手メーカーに就職後、結婚・出産を経て退職。双子の子供が中学生になったとき、復帰しようと仕事を探し始めたのですが、20社ほど不合格。落ち込んで自信がなくなり、ママ友とも意見が合わずに外出が億劫になり、買い物にも行かなくなり、気づいたら半年間も外出していなかったそうです。
そんなある日、ふとしたきっかけでキャリア・カウンセリングの存在を知り、思い切って相談に。自分は何もできないと自信を失っていた裕子さんですが、カウンセリングを続けるなかで、実は「気遣い・教育・コミュニケーション能力が優れている」と評価されました。気づかなかった長所を知ることで裕子さんは意欲を取り戻し、パソコンの最新ソフトの使い方も独学で習得して、ベストの状態で適職を見つけることができました。

不登校からひきこもり
 江口浩さん(仮名・25歳)の場合

江口さんは、いじめをきっかけに不登校になり、フリースクールや通信勉強などを試みましたが、卒業できずに、高校を中退しました。学校は辞めたものの、どんな仕事についたらいいのかわからないからと、働くモチベーションも全くありませんでした。
そんな時に思い出したのが、高校を中退する前に、月に1回ずつ勉強を教えに家まで来てくれていた訪問専門員。連絡をしてみたところ、相談に乗ってもらうことができました。適性分析の結果、WEBデザイナーを目指してIT関連の専門学校に通うことになりました。